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今回は以前書いた記事「ヨガとは何か」の続き。 ヨガを一言で説明するのであればヨガスートラの1.2です。
योगश्चित्तवृत्तिनिरोधः
Yoga citta vṛtti nirodhaḥ
心の作用を止滅することが、ヨーガである。
「心の作用を止滅する」と聞いてどんな印象がある?
起きている間何万と言っていいぐらい色々なことを考えている気がする。 すぐに流すものもあれば、しばらく考え込むような事もある。 このスートラを初めて聞いた時、寝てる時か死んだ時なのかな?と思った。 だけど、そうではない。 まずCHITTAは何かを見ていきましょう。
チッタの和訳は「心の作用」や、「マインドの底」です。
チッタには三つの要素があります。
アハンカーラ:「私」「エゴ」
ブッディ:知性
マナス:欲望
例えなしでアハンカーラ、ブッディ、マナスの違いを理解するのはとても難しいです。 ヨガ哲学を勉強する時にいろんな例え話があります。 この記事以外でも私が習った時に先生から教えてもらった話をシェアしていくつもりです。
アハンカーラ、ブッディ、マナスの違い
あなたはリビングに座っています。 そうしてたら台所からチーズのとってもいい香りがして来ました。 その香りを嗅いで、マナスはこう言いました。
「お?めちゃめちゃいい香りがするではないかー!!」
ブッディ:「うーん。これは。。。チーズだ!」 「しかもただのチーズではないゾォ〜。スイスチーズだ! ほら、あなたが去年スイスに行った時に食ったやつと同じ香りがするぞ!」
アハンカーラ:「おぉ!そうか!そりゃ食べたい。今すぐ食べたい!食べなきゃ〜!!」
2秒にも満たない短い間にこのような思考回路で私たちは台所に行くだろう。 だが、その中にブッディ、マナス、そしてアハンカーラが存在する。
ヴリッティってなに?
ヴリッティの和訳は「思考の波」、「心の波」になります。 私の心の中には1分間の間に数えきれないほどの波、ヴリッティが現れます。 何かに集中しようとしている時、フッと全く違うことが浮かんで来る時ってありますよね? ヨガのクラス(アーサナ)であってもクラスが終わった後の予定を考えてたり、この後何を食べようかと冷蔵庫の中身を思い出そうとしたり。 その心の波には5つの種類があります。
5つのヴリッティ
ヴリッティには5つあり、 苦痛に満ちたものと苦痛なきものがあります。
1. プラマーナ:正しい知識
2. ヴィパリヤ:間違った理解
3. ヴィカルパ:言葉による疑い(真実ではない事を疑う事)
4. ニドラー:睡眠
5. スムリティ:記憶
苦痛ではないとされているのはプラマーナのみで、後は苦痛とされています。 本当の真実以外は苦痛であり、生きることは苦痛であるという考えです。
正しい知識って何?
1. 直接的な知覚:自分で直接体験する事で得る知識
2. 推理:論理的、過去の経験による
3. 正しい検証:直接的な経験をした人からくる知識。古典を否定しない。
ここで難しいのは正しい知識をきちんと理解していないとヴィパリヤになることです。 正しい知識を身につけるためには苦痛なこともあるが、それもヨガの道です。
これからもヨガスートラのお話をしていきたいと思ってます。 ブログ更新をメールでお知らせしてますので、よかったらメルマガ登録もお願いします。
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